そこに一貫するのは“アヴァンギャルド”精神だ。普通の経営者の感覚では到底できない思い切った製品作りや、長年月を要する新技術開発に積極的に取り組んできた。だからこそ今日の最高峰ブランドとして認められてきた。
1875年に2人の時計師が創業した時計ブランド、オーデマ ピゲは、最高峰ブランドを謳われ、世界にその名を知られるようになった今もなお、その一族が経営を続ける稀有な時計メーカーだ。彼らが打ち建てた数々の金字塔とともに、オーデマ ピゲの魅力を探った。
| 取材スタッフ | |
|---|---|
| 文 | 中村光宏 |
| 写真 | オーデマ ピゲ ジャパン |
Story 1
名門と呼ばれる時計ブランドは数あれど、冠する名と同じ創業者一族が今も経営するブランドは少ない。多くが投資家や資産家の所有になっているからだ。開発に莫大な投資が必要な機械式時計業界への、潤沢な資金を持つ彼らの参入は悪いことではない。しかし、長期的視野が必要なブランド戦略に創業者一族が携わることの利点もまた、計り知れない。
1875年、ジュール・オーデマとエドワール・ピゲ、オーデマ ピゲ社を設立。当時、時計師として最高の地位である「仕上げ職人」だった2人がル・ブラッシュにて創業した。
1910年に完成したル・ブラッシュの工場。今は「オーデマ ピゲ博物館」。
Story 2
1875年、当時最高の技術を持つ2人の時計師が立ち上げた「オーデマ ピゲ」は、今なお一族が運営する数少ない時計ブランドの1つ。同族経営だからこその目先の利益に囚われない名誉を重んじる製品開発で、時計史に残る功績を上げてきた。

1892年、世界初のミニッツリピーター・ウォッチ。腕時計が普及しはじめたこの年、世界初のミニッツリピーター・ウォッチの開発・製作に成功。

1909年、究極のグランドコンプリケーション・ポケットウォッチ。英国・ロンドンのサー・ジョン・ベネットのために製作された、グラン&プチソヌリ、ミニッツリピーター、クロノグラフを搭載する複雑時計。

1946年、世界最薄の手巻きウォッチ。わずか1.64㎜という極薄の手巻きキャリバーを発表。それを搭載した世界最薄ウォッチを製作。
Story 3

試作品を前に、新しいキャリバーについて話し合うジュール・オーデマの孫、ジャック・ルイ・オーデマ(右)とエドワール・ピゲの息子、ポール・エドワール・ピゲ(左)。(1953年)
Story 4
人気の「ロイヤル オーク」はその象徴だ。発表された1972年当時、このモデルは、ビス留めベゼルに代表されるアヴァンギャルドなデザインと手の込んだ作りにより、ステンレス製にもかかわらず金時計より高価だった。普通なら企画段階でお蔵入りになりそうなものだが、オーデマ ピゲはこのスポーツ・ウォッチを世に出した。そしてラグジュアリー・スポーツウォッチという新たな市場を創出した。

1972年、「ロイヤル オーク」デビュー!船窓のデザインをベゼルにあしらった「ロイヤル オーク」は、今なお世界中で大人気。当時はステンレススティールにもかかわらず超高価なスポーツ・ウォッチだった。

1986年、世界初の薄型自動巻きトゥールビヨン・ウォッチ。世界最小のケージを持つ、世界初の薄型自動巻きトゥールビヨン腕時計を製作。手の込んだ、美しい文字盤にも注目!

1994年、究極のグランドコンプリケーション・ウォッチ。グラン&プチソヌリ、2種類の音色で時を知らせるクオーターリピーターを搭載する、世界初のコンプリケーション・ウォッチを開発。それまでは懐中時計でしか存在しなかった超複雑腕時計。
Story 5
どんな古典も誕生した時はアヴァンギャルドだった。伝統は前衛のみが作る。オーデマ ピゲの歴史が、そのことを身をもって証明している。

1993年、「ロイヤル オーク オフショア」誕生!ロイヤル オークのスポーツ色をさらに強めたコレクション「ロイヤル オーク オフショア」登場!

Now!最新モデルはレースカーから。さらに力強く、モダンに変身した「ロイヤル オーク オフショア」の最新作「グランプリ」には、最新テクノロジーがギッシリと詰まっている。

Now!自社ムーブメント「cal.3120」搭載。世界初のコンセプト、ラグジュアリー・スポーツウォッチの市場を成功させた「ロイヤル オーク」に、待望の自社製キャリバーが搭載されたのは2005年のこと。









